嘔吐は、胃腸の食物を消化する能力がおちているため「食べたり飲んだりした物」を胃腸が拒絶して起こる反射です。
吐いたあとも、少しずつ水分をとって、あまり苦しそうでなければ、さほど心配はないですが、嘔吐と共に顔色不良となりぐったりする、火がついたように激しく泣く、血便等が見られるときは腸重積症の恐れがあります。腸が腸の中にどんどん入り込んでいってしまい、24時間以上経過すると腸が壊死して腹膜炎やショックを引き起こしたりする恐ろしい病気です。腹部超音波検査で比較的容易に診断が可能なため、できるだけ早く医療機関にかかりましょう。
また、嘔吐のときは、脱水症状にも注意が必要です。
ただし、吐き気の強いときは、水分を無理に飲ませても吐いてしまいます。そうすると余計に脱水症状を引き起こす要因にもなりますので、嘔吐後は無理をしないで1時間は何も与えず様子をみます。
その後、吐き気がおさまったら経口補水液を少量ずつゆっくり与えてください。普段の量で飲ませると吐いてしまうので、最初は『体重(kg)×2=1回飲む量(ml)、10分おきで1時間』ではじめ、問題がなければ徐々に1回量を増やしながら飲む間隔をあけていきます。こんなにちょっとでいいの?と思う方もいるかもしれませんが、この方法で最初の1時間に飲めた量は、点滴を1時間受ける量より多い量になります。
食事は、様子を見ながらうどんやおかゆなどの炭水化物を少量ずつ与えるのが良いでしょう。